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2007/カラー/117分

風を聴く
​ 〜台湾・九份物語〜

 台北から東へ、列車で50分の街。海を見下ろす山の斜面に家々がへばりつくように広がっている。街の中心には、南北に貫く石畳の坂道。その両側にはレンガ造りの建物や折り重なる屋根瓦、家の軒先には紅色のぼんぼりが揺れる。古い茶藝館が建ち並び、湯気と茶の香りが漂う。

 

 1845年、この地には水田と茶園を営む農家が九戸あったという。そこから後年、「九份」と呼ばれるようになったといわれている。

 19世紀末期に金脈が発見。金の鉱脈が基隆山の裾野に広がっていることが明らかになり、街は一挙に黄金郷となった。日本統治下を経て、台湾の事業家、顔雲年の手に渡り、以降、顔家(台陽鉱業)が九份のオーナーとなった。九份はゴールドラッシュとなり、金を求めて鉱夫が殺到。最盛期は4万世帯にも膨れ上がり、夜も賑わう不夜城と化した。

 太平洋戦争後、中国に復帰。顔家の台陽公司のもとで、金の採掘が行われ、活況を呈した。しかし次第に金鉱が枯渇。1971年に閉山して、多くの人々が街を去っていった。

​ しかし、都会で暮らす人々がこの街に古き良き台湾を見出し、再び集まってきている。

 この街で生まれ育ち、金鉱とともに生きた一人の男性、江兩旺さん。街の生き証人として街のことを語り始める。街の小学校で学び、20代は金鉱に勤務。閉山後も鉱山の管理人として生きている。街の歴史は江さんの生きた人生と重なっていく。街は栄枯盛衰、人は波乱万丈。それらを包んで、山に吹く風だけは変わらず流れている。

監督​

  林 雅行

語り

一青 妙

歌手で知られる一青窈の姉。

​九份の土地を管理している顔家の血縁。

挿入歌

「九份人」

作詞/呉國平 作曲/小高

編曲・歌/小高

「礦山英雄安魂曲」

作詞/陳鋕勇 作曲・歌/小高

編曲/董運昌

「九份仔真是好所在」

作詞/林棟燦 作曲/江湖調

編曲・歌/小高

「大家」

作詞・歌/一青窈

作曲/マシコタツロウ

編曲/武部聡志

パンフレット

B5判/48頁/800円(税込)

関連書籍

台湾金鉱哀歌

2009年/B6判上製

192頁/1,575円(税込)

協力

臺陽股份有限公司 CHINA AIRLINES ユナイテッドツアーズ

製作協力

台湾資料センター 台灣物産館 臺灣新聞 コロムビアミュージックエンターテイメント株式会社

後援

台北駐日経済文化代表處 台湾観光協会 中華民国留日東京華僑総会

撮影

大津幸四郎 戸張隆宏

取材・撮影

高良沙葵 伊藤文美 林 雅行

音響効果 林 恵吾

翻訳 林君盈

編集・CG制作 高良沙葵

スタジオ・技術協力

ビデオ・フォーカス スタジオフォーバレー あけぼのホール

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